培養士ってどんな仕事?
卵子や精子、胚を扱う専門の職業です。
医師が採卵し得た卵子を体外で精子を受精させ体内に戻すまでの間、培養と管理を行うことを専門としており、高度な生殖技術と知識が必要とされています。
主な仕事内容
- 精液検査
- 人工授精・体外受精用の精液調整
- 採卵
- 受精業務(体外受精・顕微授精など)
- 受精分割確認
- 胚移植
- 培養液管理
など様々な業務があります。培養士試験を受験し、資格を維持するためには学会参加が必須ですので、学会発表の準備などもします。また、施設によっては血液検査業務や器具洗浄も業務範囲として含まれる場合もあります。
え。。。難しそう、、、と思うかもしれませんが、できないことを前提として受け入れてくれるので安心です。
年収は?
350~600万前後
4年大学新卒の初任給は18~30万が相場です。
資格手当や顕微授精手当、休日出勤手当などが加算されます。
1000万を超えるという話も聞きますが、室長クラスのほんの一握りです。
培養士になるには?
臨床検査技師や農学系大学出身の人が多いですが、 国家資格はありませんので採用されれば誰でもなれます。 民間資格として、「生殖補助治療胚培養士」という資格と「認定臨床エンブリオロジスト」という二つの資格が存在しており、どちらも1年以上の実務経験と生物系の知識を学んでいることが受験資格となっております。 2年目または3年目に資格試験を受けるのが一般的です。
休日は?
クリニックの規模と培養士の人数に依存します。
細胞培養を行っているので、休日出勤を避ける事はできません。
通常は月に1~2回程度ですが、培養士の人数が少ないと毎週のように出勤しないといけないケースもあります。
最後に
卵子と言っても、教科書でみるようなきれいな丸い卵だけではありません。 細長かったり、1つだけ明らかに大きかったり透明帯が変形していたりとそれぞれに個性があります。
形が悪いから異常をもっている?妊娠できない卵?といわれるとそんなこともありません。 多くの症例を経験した中で、これはダメかなと思ってもキレイな胚盤胞に成長することも多々あります。 様々な卵の成長を見るなかで、生命の力強さや神秘さを実感できるのは胚培養士ならではの喜びや経験であると思います。
不妊治療を受けられる患者さんは、どうにかして赤ちゃんを授かりたいと思っています。 器用さや学力、知識量よりも、その願いを少しでも多く実現できるよう日々継続して努力できる人が培養士に向いていると思います。