という経験をした事のある方は少なくないと思います。
分割期胚移植よりも胚盤胞を移植した方が着床率が約2倍近く高くなることから、胚盤胞移植移植をお勧めされる事はよくあります。
受精3日目で観察した際に、順調に育っていた胚が5日目になると成長が止まってしまっている事や、反対に成長が遅く分割が思わしくなかった胚がキレイな胚盤胞になったりとその時点での観察ではその後の成長が予測できないことが起因しています。
胚盤胞まで培養してギリギリまで成長を見届ける事で、生命力の強い良好胚を見極めることができるので着床率は高くなります。
分割期胚移植のメリット
分割期胚移植のメリットとして
- 胚移植キャンセルのリスクが減る
- 培養コストの低下
- 体内環境の方胚の成長に適してる可能性がある
という点が挙げられます。
受精した卵が胚盤胞まで成長する確率は40~60%です。受精卵が少ない場合は、胚盤胞まで成長せず移植できない場合があります。
分割期胚で胚移植を行うことで、より確実に胚移植をするチャンスを得ることができます。また、胚盤胞まで培養する場合、「追加培養代」として2万~3万円程度費用が発生します。
次に、「体内環境の方が適してる可能性がある」というのは、胚を育てる培養液は、卵管の成分を模倣して作成されています。しかし、まだまだ分析出来ていない成分やホルモンの作用があると言われています。分割期胚を移植することにより、これらの未知の成分が胚の成長へ良い影響を与えてくれることが期待できます。
~知っててほしい事~
胚盤胞移植はあくまでも「着床率」が高いという事!
妊娠初期の流産は、染色体異常である可能性が非常に高く、染色体の数的異常がある場合には妊娠8週目までに約75%が流産すると言われています。
「移植した胚が染色体異常があれば、その多くは生化学妊娠や着床しても早期流産になる」ということです。
胚の染色体が正常なのか異常なのかは受精した時点で決定しているので、受精3日目の分割期で移植をしても、5日目の胚盤胞期で胚移植をしても染色体が正常か異常かは変わらないのです。なので、採卵周期あたりの妊娠率でみると、ほとんど同じ成績になるとも言われています。
胚盤胞まで成長しないのであれば分割期胚で戻すことで、体外培養では移植しないと判断されるが、本来染色体正常な胚がお母さんの栄養を受けて胚盤胞へと育ってくれることに期待ができます。