新鮮胚移植と凍結融解胚移植の違いは、採卵と同周期で胚移植するのか、一度凍結保存して、違う周期で胚を融解し胚移植を行うのかの違いです。
チャートにすると次のようになります。

それぞれのメリットとデメリットを考えると、
新鮮胚移植の場合
メリット
- 短い期間で結果を出すことができる
- 凍結融解操作による胚へのダメージを受けない
- 凍結融解費用がかからない
デメリット
- 内膜厚が十分でない可能性がある
- 移植可能胚がなく当日キャンセルになる可能性がある
- OHSS(卵巣過剰刺激症候群)により移植できない可能性がある
凍結融解胚移植の場合
メリット
- 子宮環境を移植に適した状態にして移植できる
- 新鮮胚移植に比べ妊娠率が高い
デメリット
- 妊娠に至るまでの期間が長くなる
- 凍結融解操作のダメージで移植できない可能性
- 新鮮胚移植と比べると費用が高くなる
といったことが考えられます。
どっちがいいの?
出来るだけ早く結果を出したいと考え、新鮮胚移植を希望する方は多いですが、多くの施設で推奨されている方法は「凍結融解胚移植」です。
凍結融解胚移植では、子宮環境を整えて移植できるので、新鮮胚移植に比べて妊娠率が高くなります。
これは、各施設のデータだけでなく、日本全国のART施設の成績をまとめている日産婦のデータブックを見ても、融解胚移植による出生率のほうが圧倒的に高い事がわかります。また、海外でも同様のデータから凍結融解胚移植がスタンダードになりつつあります。
凍結融解胚移植の場合、融解時に胚がダメになってしまうリスクがありますが、日本人は器用と言われているように、ガラス化法による融解後の生存率は95%と言われているので、ほとんどの場合は移植できると考えても問題ないと思われます。
年齢も若く、内膜の厚さが十分あり良好胚盤胞を戻しているはずなのに、なぜか妊娠しない人が多かったという結果がでる事があります。
個人的意見ではありますが、新鮮胚移植を行うことで着床できる時期と移植の時期がづれてしまっている可能性が考えられます。
時間がかかると不安になる事もありますが、より確実に妊娠できるように頑張りましょう^^