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~胚培養士に聞いてみた①~

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アンケートにご協力頂いた方から寄せられた、「培養士に聞いてみたいこと」の中で多かった質問に答えていきたいと思います。※一培養士としての個人的観点が多く含まれます。

圧倒的に多かった質問が、、、

 
具体的にはどんな仕事をするの?
 
胚培養士はどこで働いている人で、不妊治療とどのようにかかわってくる人なのでしょうか?

という質問でした。そこで、

「胚培養士」という職業知っていますか?

という質問をしました。その結果がこちらです。

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知らない人が多い(´;ω;`)ウゥゥ

培養士としてはもっともっと認知度を上げていきたい所です・・・

17人に1人が体外受精で生まれているという昨今、治療を受ける受けににかかわらず、知ってほしい職業です。

培養士は「培養質(ラボ)」という場所で、
胚の培養や精子の調整などを顕微鏡を使いながらする仕事です

胚培養士の任務は、「採卵した卵を胚移植まで預かり育てる事」です。

具体的には、

  • 医師が採取した卵胞液から卵子を見つけ出す
  • 受精させる
  • 受精・分割を確認
  • 胚移植当日まで培養
  • 胚移植の補助(実際に胚を戻すのは医師の仕事)
  • 必要に応じて胚を凍結保存する

というような流れで進めていきます。

培養士についてはこちらのページも参考にどうぞ→【培養士になるには?

卵子は目で見えるの?

直接目で見ることは難しいです

卵子の大きさは直径約100~130μm。髪の毛の太さがだいたい60μmと言われていますので、2本合わせて切った時くらいの大きさです。

採卵したばかりの卵子には、卵丘細胞という細胞が卵子の周りについています。卵丘細胞は目で見てわかるくらいの大きさですので、卵丘細胞をみてなんとなく卵子のいる場所を特定し、顕微鏡で確認します。

卵丘細胞は卵子がない場合もあるので、しっかりと確認することが大切になってきます。

精子についても、一匹一匹を目で直接見て確認することはできません。

提出された精液の色や粘性を見て、「精子いないかもしれない」という感が働くことはありますが、外れることも多いです(;^bω^)

胚を見て妊娠できるかわかる?

 
形態観察ではわかりません

受精させた段階で、染色体の異常の有無は決定しています。異常がある場合でも、ある程度までは成長することができるので、正常なのかあるいは異常を持っているのかを判断することができません。

実際に染色体検査を行ってみると、キレイな胚盤胞に複数個成長したがそのほとんどが異常であったという事もありました。

とはいえ、良好胚盤胞とよばれるキレイな胚盤胞を胚移植できた場合は、妊娠率は高いです。

よくある質問として、性別に関しても同様に見た目では判別できません。

培養士は病院を選ぶ決め手になる?

見出しの質問以外にも、

 
胚培養士が妊娠するために出来ることな何か?
どこまでできるのか?
 
その方の良しあしで成功率も変わるのかどうか?

といった質問をもらいました。

鋭い!
なかなか難しい質問ですね

培養士は技術職でありますが、精液検査や一般体外受精というのは技士間でほとんど差が出ません。

施設間で大きな差がでる事はという、顕微授精だと思います。

ある程度技術を磨けば受精させることは可能ですが、すべての患者さんにおいて、キレイで元気な卵が取れるとは限りません。

もともとの卵子の膜が弱い事や受精しにくいなど難しい症例に直面した場合が、

培養士の腕と経験が問われる場面だと思います。

症例数が多い病院だと、様々な経験を得ていることが考えられますので、しっかり対応してくれる可能性が高いです。

 
受精率や顕微授精後に死んでしまった卵の数は
一つの参考になります。
※全体的に卵が弱い方もいます。

また、受精率が低かったり、胚盤胞成長率が思わしくない場合、医師だけでなく培養質側でも原因を考え、培養液の変更や受精方法の検討を行うこともあります。

様々な提案を持っている培養士がいることは
大きなメリットになると思います。

その為にも日々勉強が必要ですね。

大変そうな仕事ですがやりがいを感じるのはどんなときですか?

綺麗な胚盤胞を胚移植できたときです

もちろん無事に妊娠・卒業して際にもやりがいを感じますが、培養士としてはやはり、胚が綺麗に成長してくれている時が一番やりがいを感じます。

業務終了後に技術の練習を行いますので、実際に臨床に立てる瞬間は心がキラキラしますね

今回は4つの質問に答えてみました。

今後も様々な質問を募集していますので、気になる事があればご質問ください

→【質問はこちら

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