不妊治療においては、普段から健康に気を使い体質改善を心掛けることも大切です。
治療を受けていると「胚質不良」や「精子数・運動性の低下」に悩むことがあると思います。それらの改善に効果的とされている重要な栄養素の内の1つにL-カルニチンがあります。
この記事では、L-カルニチンについて詳しく説明していきます。
また、このような栄養素は普段の食事で継続定期に摂取するのが難しいことからサプリメントで摂取することを考えている方もいると思います。
そこで、L-カルニチンを補給できる人気サプリメントについても紹介していきます。
L-カルニチンとは?
L-カルニチンとは、リジンとメチオニンという2種類のアミノ酸から肝臓や腎臓で合成される成分のことを言います。
このL-カルニチンは体内では基本的に筋肉細胞内に存在しており、筋肉細胞内で脂肪酸をミトコンドリアに運搬する役割となっています。
この運ばれた脂肪酸はミトコンドリアで燃焼されて、エネルギーに変換されます。


L-カルニチンを増やすことでミトコンドリアが脂肪酸を使って燃焼させる事ができるからです。
また、このL-カルニチンは体内で生成されるのですが、20代をピークに生成量が衰えていくこともわかっています。
そのため、30代以上の方は特にこのL-カルニチンを摂取することに気を使う必要があります。
さらに、もう一つL-カルニチンは大きな働きがあります。
それは脂肪酸からミトコンドリアを守る働きです。
L-カルニチンはミトコンドリアに脂肪酸を運んでくる作用があることは先ほど紹介しました。
しかし、脂肪酸がそのままミトコンドリアに運ばれていくと、ミトコンドリアを包んでいる膜を傷つけてしまいます。
こちらを保護しているのもL-カルニチンです。 つまり、L-カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアに運びながら、ミトコンドリアの膜を守る働きもしているということです
不妊症への効果
ここまでは、ミトコンドリアのサポーターとして紹介してきましたが、ミトコンドリアの機能を向上させることにより不妊治療にも大きな効果があります。
卵子や精子も細1つの細胞なのでミトコンドリアが存在しています。
卵子では、ミトコンドリアが正常に機能しないと、卵子の成熟に影響したり胚質不良になることがわかっています。
また卵子だけでなく、精液中のL-カルニチンの含有量と精子数・運動指数には関係があるとされています。
これらの事から、ミトコンドリアが不妊と大きく関りがあることがわかりますね。そして、ミトコンドリアの働きに大切になってくるのが、L-カルニチンということです。
前章でもL-カルニチンはミトコンドリアにエネルギーの素となる脂肪酸を運ぶ役割をしていると解説しました。
脂肪酸を運ぶことで脂肪を燃焼するだけでなく、妊娠で必要となってくるエネルギーも作り出すことができるのです。
また、L-カルニチンはミトコンドリアの膜を守る働きもあると前章で説明しましたが、精子や卵子に含まれている細胞内のミトコンドリアの保護にも機能します。
これらのことから、L-カルニチンは不妊で悩んでいる方にとっては、とても大切な栄養素ということが言われています。
普段の食事で取るには?
L-カルニチンはどのような食品から摂取することができるのでしょう?
L-カルニチンは特に、肉類に多く含まれています。
赤身が多いお肉ほど多く含まれていると言われており、中でもラムやマトンといった羊肉には、特に多く含まれています。
お肉以外でも、赤貝や牛乳からも多くの量を摂取することが可能です。
サプリメント利用時の注意点
サプリメントは着色料や香料、保存料などを使っていないことがとても多いため、健康面での心配は少ないです。
ただ、体質や体調によっては悪影響が出てしまう可能性もあります。
また、妊娠中やその他に薬を服用されている場合は摂取を控える必要が出てくる場合もあります。
これらはサプリメントの種類によって、異なるのできちんとサプリメントの注意事項を必ず確認するようにしましょう。 また、病院に通院されている方は医師に相談するようにしましょう。
用法・容量は守りましょう
L-カルニチンは副作用がほとんどなく安全性の高いものだと言われています。
ただ、体内で生成するのではなくサプリメントなどで補給する際には、吐き気や嘔吐、胸焼けや胃炎、下痢や痙攣などの症状が出る場合もあります。
飲んでも安全だとされている量としては、自分の体重1kgにつき20mgとされています。(体重40kgであれば800mg)
また、サプリメントの場合はL-カルニチン以外の成分も含まれていることが多く、そちらが体に悪い影響を及ぼす可能性もあります。 そのため、サプリメントを飲む際は用法用量を守って飲むようにしましょう