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ICSI胚じゃないと検査できないの?c-IVF由来胚の着床前診断について

着床前診断(PGT)を考えた際、Conventional-IVF(一般体外受精),以下c-IVF,ではなくICSI(顕微授精)を勧めらる事がほとんどだと思います。

まぁ、一般体外受精でもいいですけどね~。。。と後付けかのように言われても逆に不安になりますね。。。

とはいえ、バカならない高額な生検代に加えて顕微授精費用まで請求されるとなると…っていうのが本音のところ・・・(私的見解)

検査の精度に差がないのであればConventionalでもいいのではと考えています。

これまで、ESHRE(ヨーロッパの学会)やPGDIS(着床前診断についての国際会議)から、「胚生検の際はICSIを推奨する」という見解が示されていました。

しかし、最近の報告ではc-IVFであっても結果に影響はないという見解が広がっています。

今回はその根拠と理由について考えていきましょう。

ICSIが推奨されてきた理由

ICSIの際は、精子一匹のみを卵細胞内に注入しますが、c-IVFの場合は精子が受精できなかった精子が多く透明帯に付着しています。受精できなかった精子は、胚が成長しても透明帯に付着したまま残ります。

着床前診断を行う際には、胚の細胞を一部採取する必要がありますが、細胞を採取する際、透明帯に穴を開けて採取しますが精子が混入してしまうことがあります。

胚由来ではないDNAが混じってしまうとそのDNAが検出され、生検結果に相違が生じる事から、卵子に精子一匹のみを注入するICSIでの受精が必要とされてきました。

このような理由から、現在行われている着床前診断検査でも、Conventional由来の胚での検査は1%以下と言われています。

最近の研究で分かってきたこと

上記の説明を見ると、せっかくの検査で誤診を防ぐ為にも顕微授精は必須だと考えられますね。

しかし、最近の研究ではConventional由来でも問題ないという報告が多くなってきました。

精子のDNAは、当初考えられていたよりも容易に増殖する事はなく、人為的に精子を混入させて検査をしても影響がないとのことです。(PGDIS 2019)

この報告を受け、受精方法に関しては問わないと方針転換している施設も多くみられます。

現在凍結保存している胚を検査に出そうか検討されている方にとっては朗報だと感じます(‘ω’)

やっと始まった着床前診断の臨床研究ですが、2020年5月時点で日本全国に78施設が参加しています。

気になる方は近医にて相談してみてはいかがでしょうか。

臨床研究参加施設→http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/PGT-A_rinshousankashisetsu_20200501.pdf

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